专利摘要:
インレーなどの角膜移植片を、この移植片の存在に対する上皮層の上皮整形などの角膜反応を補償するように設計する方法。加えて、代替の角膜視力矯正処置を、この処置に対する上皮反応を補償するように行う方法。近方視力を得るための角膜の中心に近い領域を、この中心に近いゾーンの周辺での遠方視力を得ながら作り出す視力矯正処置を行うときの角膜反応を補償する方法。
公开号:JP2011516180A
申请号:JP2011503217
申请日:2009-04-03
公开日:2011-05-26
发明作者:ホリデー,キース;ラング,アラン
申请人:レヴィジオン・オプティックス・インコーポレーテッド;
IPC主号:A61F2-14
专利说明:

[0001] [0001]人間の眼の異常は、近視(myopia)(近視(near−sightedness))、遠視(hyperopia)(遠視(farsightedness))、乱視、および老視などの視力障害を招きうる。これらの異常に対処しようとして、様々なデバイスおよび処置が開発されてきた。]
[0002] [0002]提案されたデバイスの1つのタイプは、アンレーなどの角膜移植片であり、これは、角膜の外層(すなわち上皮)がアンレーの上を覆って増殖しそれを取り囲むことができるように、角膜の最上部に置かれる。インレーは、角膜組織の一部分の下の角膜内に移植される角膜移植片であり、例えば角膜にフラップを切り、このフラップの下にインレーを配置することによって外科的に移植される。インレーはまた、角膜中に形成されたポケット内に配置することもできる。]
[0003] [0003]インレーは、角膜前面の形状を変えることによって、または角膜と異なる屈折率を有することで(すなわち、固有の屈折力を有する)角膜と移植片の間に光学界面を生成することによって、あるいは両方によって、角膜の屈折力を変えることができる。角膜は、眼の中の最も強く屈折させる光学要素であり、したがって、角膜前面の形状を変えることは、屈折誤差によって引き起こされる視力障害を矯正するための特に有効な方法になりうる。]
[0004] [0004]LASIK(生体内レーザ屈折矯正術)は、レーザ屈折眼手術の一種であり、あらかじめ切られた角膜フラップを持ち上げた後に、レーザを用いて角膜の一部分を整形する。]
[0005] [0005]老視は一般に、例えば経時的に起こる水晶体の弾性喪失により、近くの物体に焦点を合わせるための眼の屈折力を増大させる能力の低下を特徴とする。眼用のデバイスおよび/または処置(例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ、LASIK、インレー)を用いて老視に対処することが、3つの一般的な手法を使って可能である。単眼視力処方では、一方の眼のジオプター屈折力が、遠くの物体に焦点を合わせるように調整され、2番目の眼の屈折力が、近くの物体に焦点を合わせるように調整される。適合する方の眼を用いると、対象の物体が鮮明に見える。次の2つの手法では、遠くの物体と近くの物体の両方に焦点を合わせる屈折力を同時に1つの眼に与えるための、多焦点または二焦点の光学素子が用いられる。1つの一般的な多焦点設計では、近くの物体に焦点を合わせるための高いジオプター屈折力の中心ゾーンを含み、この中心ゾーンは、遠くの物体に焦点を合わせるのに望ましい低い屈折力の周辺ゾーンで取り囲まれる。修正された単眼視力処方では、一方の眼のジオプター屈折力が、遠くの物体に焦点を合わせるように調整され、2番目の眼には、多焦点光学設計が角膜内インレーによって導入される。したがって、被術者は、遠くの物体を見るための両眼による必要なジオプター屈折力を有し、多焦点眼の近い方の屈折力ゾーンは、近い物体を見るために必要な屈折力を与える。両側多焦点処方では、多焦点光学設計が両眼で行われる。したがって、両眼とも遠方と近方の両方の視力に寄与する。]
[0006] [0006]視力矯正処置および/または移植されるデバイスにかかわらず、その処置に対する角膜の自然な反応を理解して、角膜が視力矯正処置の影響をどのように低減または最小限にしようとするのかを理解することが重要である。]
[0007] [0007]インレーに対する反応を理解することに限定して、Watskyらは、Investigative Ophthalmology and Visual Science、vol.26、pp.240−243(1985)で単純な生物機械学的反応を提案している。この生物機械学モデル(「Watskyモデル」)では、前方角膜表面の曲率半径は、前方角膜表面と角膜インレーの前面との間の薄層角膜材料(すなわちフラップ)の厚さに、インレーの前面の曲率半径を加えたものに等しいと想定されている。]
[0008] [0008]移植されたインレーの臨床結果または設計方法についての論評では一般に、上記の単純な生物機械学的反応モデルがある程度の妥当性を有する比較的厚いインレー(例えば200ミクロンよりも厚い)を論じている。これは、インレーの物理的大きさが角膜の生物機械学的反応を支配し、主要な前面の変化を規定するからである。しかし、インレーが比較的小さく薄い場合では、角膜の材料特性が、前方角膜表面に生じる変化の大きな一因となる。Petrollらは、インレーの移植が、インレーの上にある角膜中心上皮の菲薄化をもたらしたと報告している。「Confocal assessment of the corneal response to intracorneal lens insertion and laser in situ keratomileusis with flap creation using IntraLase(角膜内レンズ挿入、およびIntraLaseを使用するフラップ形成による生体内レーザ屈折矯正術に対する角膜反応の共焦点評価)」、J.Cataract Refract.Surg.;vol.32、pp1119−1128(July 2006)。]
[0009] [0009]Huangらは、近視切除処置後の中心上皮肥厚化と、遠視切除処置後の周辺上皮肥厚化および中心上皮菲薄化とを報告している。「Mathematical Model of Corneal Surface Smoothing After Laser Refractive Surgery(レーザ屈折手術後の角膜表面平滑化の数学モデル)」、America Journal of Ophthalmology、March 2003、pp267−278。Huangの理論は、老視の矯正には対応せず、角膜の中心に近い部分の周辺の領域での遠方視力を可能にしながら近方視力を得るための、角膜の中心に近い部分を作り出す前面の変化も的確に予測していない。さらにHuangは、角膜内インレーなどの材料を角膜に付加することとは対照的に、切除によって角膜組織を除去することについても報告している。]
[0010] [0010]例えば角膜インレーを用いた老視の矯正に対する角膜の反応を理解することが必要である。角膜反応を理解することにより、角膜に処置を施し、かつ/または角膜内に移植片を移植して角膜を改変する場合に、その反応を補償することが可能になる。中心ゾーンの周辺での遠方視力を得ながら近方視力を得るための中心ゾーンを作り出すインレーに対する角膜の反応を理解する必要もある。]
課題を解決するための手段

[0011] [0011]本発明の一態様は、視力を矯正する方法である。この方法は、視力を矯正するための角膜前面の所望の形状変化を決定するステップと、角膜前面に所望の形状変化を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップと、角膜内にインレーを移植し、それによって角膜前面に所望の形状変化を生じさせるステップとを含み、角膜前面に所望の形状変化を生じさせる厚さプロファイルを有するインレーを選択するステップでは、角膜内にインレーを移植することに反応した角膜の上皮層の上皮整形を補償する。]
[0012] [0012]いくつかの実施形態では、角膜前面の所望の形状変化を決定するステップは、角膜前面の、角膜の光軸に沿って置かれる中心部分の所望の形状変化を決定するステップを含む。]
[0013] [0013]いくつかの実施形態では、角膜前面の中心部分の所望の形状変化を決定するステップは、中心部分の周辺に置かれた角膜前面の周辺領域の形状変化は回避しながら、角膜前面の中心部分の所望の形状変化を決定するステップを含み、中心部分と周辺部分の間の界面の直径が瞳の直径よりも小さい。]
[0014] [0014]いくつかの実施形態では、角膜前面の所望の形状変化を決定するステップは、近方視力を得るために角膜の中心部分を急勾配にし、かつ中心部分の周辺の領域での遠方視力が得られる形状変化を決定するステップを含み、角膜内にインレーを移植するステップでは、中心部分に急勾配化を生じさせて、中心部分の周辺での遠方視力を得ながら近方視力を得る。]
[0015] [0015]いくつかの実施形態では、視力を矯正するための角膜前面の所望の形状変化を決定するステップは、老視を矯正するための所望の、例えば約1.5ジオプターから約3.5ジオプターの角膜屈折力変化を決定するステップを含む。]
[0016] [0016]いくつかの実施形態では、厚さプロファイルは、中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを含み、ある厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップは、角膜内にインレーを移植することに反応した角膜の上皮層の上皮整形を補償するために、中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップを含む。いくつかの実施形態では、上皮整形を補償するために中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップは、約50ミクロン以下の中心厚さを有する角膜インレーを選択するステップを含み、いくつかの実施形態では、中心厚さは約25ミクロンから約40ミクロンである。いくつかの実施形態では、上皮整形を補償するために中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップは、約1mmから約3mmの直径、またいくつかの実施形態では約1.5mmから約2mmの直径を有する角膜インレーを選択するステップを含む。]
[0017] [0017]いくつかの実施形態では、角膜内にインレーを移植するステップは、角膜内にフラップを作り出すステップと、フラップの下にインレーを配置するステップとを含み、いくつかの実施形態では、角膜内にインレーを移植するステップは、角膜内にポケットを形成するステップと、ポケット内にインレーを配置するステップとを含む。]
[0018] [0018]いくつかの実施形態では、角膜の上皮層の上皮整形を補償するステップは、角膜の光軸に沿ってインレーの上の上皮菲薄化を補償するステップを含み、かつ/または角膜の上皮層の上皮整形を補償するステップは、インレーの周辺の上皮肥厚化を補償するステップを含む。]
[0019] [0019]いくつかの実施形態では、角膜内にインレーを移植することに反応した角膜の上皮層の上皮整形を補償するステップは、角膜内にインレーを移植することに反応した角膜前面の形状の変化を低減するように上皮層整形を補償するステップを含む。]
[0020] [0020]いくつかの実施形態では、角膜前面の所望の形状変化を決定するステップは、角膜前面の中心部分の所望の高さ変化部直径を決定するステップを含み、角膜前面に所望の高さ変化部直径を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップは、インレーの直径を選択するステップを含み、インレーの直径を選択するステップは、所望の高さ変化部直径から約1.8mm〜約2.4mmを引いた、および約2mmを引くことができるインレーの直径を選択するステップを含む。]
[0021] [0021]いくつかの実施形態では、角膜前面の所望の形状変化を決定するステップは、角膜前面の中心部分の所望の中心高さ変化を決定するステップを含み、角膜前面に所望の中心高さ変化を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップは、インレー中心の厚さを選択するステップを含み、インレー中心の厚さを選択するステップは、所望の中心高さ変化の約3倍〜7倍の、および所望の中心高さ変化の約5倍とすることができるインレー中心の厚さを選択するステップを含む。]
[0022] [0022]いくつかの実施形態では、角膜内にインレーを移植するステップは、ボーマン層に中心高さ変化を生じさせるステップを含む。]
[0023] [0023]いくつかの実施形態では、インレーは、角膜の屈折率とは異なる屈折率を有し、それによって角膜に固有の屈折力を与える。
本発明の一態様は、老視を矯正するために角膜に対し矯正処置を行う方法である。この方法は、老視を矯正するための所望の角膜実質組織改変を決定するステップと、老視を矯正するために角膜の角膜実質層を改変するステップとを含み、老視を矯正するために角膜の角膜実質層を改変するステップは、角膜実質層改変に反応した角膜の上皮層の上皮整形を補償するステップを含む。]
[0024] [0024]いくつかの実施形態では、老視を矯正するために角膜の角膜実質層を改変するステップは、レーザを使用して角膜実質層を改変するステップを含み、LASIK処置などで角膜組織を切除するステップを含むこともできる。]
[0025] [0025]いくつかの実施形態では、老視を矯正するために角膜の角膜実質層を改変するステップは、角膜実質組織を弱めるステップを含み、場合によって老視を矯正する。]
[0026] [0026]いくつかの実施形態では、老視を矯正するために角膜の角膜実質層を改変するステップは、角膜内インレーなどの異物を角膜内に配置するステップを含む。このインレーは、中心部分の周辺の角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために、中心部分を急勾配にすることによって角膜前面の形状を修正することができる。]
[0027] [0027]本発明の一態様は、視力を矯正する方法である。この方法は、角膜前面の、近方視力を得るための中心ゾーンの勾配増大を含む所望の形状変化を決定するステップと、中心部分の周辺の角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために、角膜前面の中心部分の勾配を増大させる視力矯正処置を行うステップとを含み、視力矯正処置を行うステップでは、角膜前面に対する上皮整形を補償する。]
[0028] [0028]いくつかの実施形態では、中心部分の周辺の角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために、角膜前面の中心部分の勾配を増大させる視力矯正処置を行うステップは、角膜組織内に角膜内インレーを配置するステップを含む。角膜組織内に角膜内インレーを配置するステップは、このインレーを角膜実質組織内の、角膜前面から測定して約200ミクロン以下の深さに配置するステップを含む。]
[0029] [0029]参照による組込み:本明細書で言及されたすべての刊行物および特許出願は、各個別の刊行物または特許出願が参照により組み込まれるべきと明確かつ個別に示された場合と同じ範囲で、参照により本明細書に組み込まれる。]
[0030] [0030]本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に記載される。本発明の特徴および利点のよりよい理解が、本発明の原理が利用される例示的な実施形態を示す以下の詳細な説明、および添付の図面を参照することによって得られよう。]
図面の簡単な説明

[0031] 本明細書の方法により角膜組織内に移植できる例示的な角膜内インレーを示す図である。
インレーが角膜内に移植された後の、角膜前面の中心部分の例示的な急勾配化を示す図である。
インレーが角膜内に移植された後の、角膜前面の中心部分の例示的な急勾配化を示す図である。
本明細書で説明されるインレーをどのように角膜内に移植して、眼の中で中心の近方視力および周辺の遠方視力を得ることができるかを示す図である。
インレーが角膜内に移植された後の、上皮の菲薄化および肥厚化の位置を示す図である。
角膜内に移植されているインレーに対して反応する角膜のボーマン層および前面の形状変化を示す図である。
インレーが移植された患者の術前および術後の波面測定から得られた臨床データ(例えば、遠方視力および近方視力、ならびにインレーによって生み出された屈折効果)および前方角膜表面高さの変化を示す表である。
インレーが移植された患者について、角膜前面の半径に対する角膜前面の高さの変化(すなわち、術前と術後の間の高さの差)を示すグラフである。
インレーが移植された患者の術前および術後の波面測定から得られた臨床データ(例えば、遠方視力および近方視力、ならびにインレーによって生み出された屈折効果)および前方角膜表面高さの変化を示す表である。
インレーが移植された患者について、角膜前面の半径に対する角膜前面の高さの変化(すなわち、術前と術後の間の高さの差)を示すグラフである。]
実施例

[0032] [0038]本開示は、視力矯正の方法、ならびに所望の角膜形状変化を生じさせるための視力矯正処置に対する角膜の反応を補償する方法に関する。本開示は、老視を矯正する方法を含む。いくつかの実施形態では、この方法は、角膜内にインレーが存在することを補償しながら老視を矯正するように角膜組織内に角膜インレーを移植することを含む。本開示はまた、中心部分の周辺での遠方視力を得ながら中心部分での近方視力を得るために、角膜前面の中心部分の曲率を増大させる方法も提供する。いくつかの特定の実施形態では、中心部分の曲率を増大させて近方視力を得るために、インレーが角膜に移植される。]
[0033] [0039]角膜は一般に、前方Aから後方Pへの方向で、上皮、ボーマン層、角膜実質、デスメー膜および内皮で構成されると考えることができる。上皮は細胞からなる層であり、角膜の表面を覆っていると考えることができ、5つほどの細胞の厚さしかなく、約50ミクロンの厚さである。角膜実質は、角膜の最も厚い層であり、角膜にその強度の多くを与え、ほとんどの屈折手術は角膜実質細胞を扱うことが伴う。デスメー膜および内皮は、角膜の後方部分と考えられ、本明細書では多く論じない。本開示では、上皮、ボーマン層および角膜実質についての議論に集中する。]
[0034] [0040]本明細書で開示されるように、視力矯正処置に対する角膜の反応は一般に、「生理的反応」またはそのバリエーションとして説明される。この生理的反応は、ボーマン層との相互作用および/またはボーマン層の改変による角膜の反応であれば、どんな生物機械学的反応も含むことができる。本明細書での生理的反応はまた上皮反応を含むこともあり、この反応は、視力矯正処置に対して反応する上皮層の自然整形を含む。]
[0035] [0041]いくつかの実施形態では、老視を矯正するために角膜インレーが使用される。図1は、直径D、インレーの中心軸CAに沿った中心厚さT、前面12、後面18、外縁部16、および任意選択のベベル部14を有する例示的な角膜インレー10の側面断面図である。前面12は、ある前方曲率半径を有し、後面18は、ある後方曲率半径を有する。外縁部16は、後面18とベベル部14をつなぐ。ベベル部は前面の一部分と考えることも、前面と後面の間の別個の面と考えることもできる。例示的なインレー10は、例えば、それだけには限らないが、老視を治療するのに使用することができる。] 図1
[0036] [0042]インレー10は、本明細書、または以下の特許出願および特許に記載のいずれの特徴またはパラメータも有することができる。2007年4月20日出願の米国特許出願第11/738,349号(米国特許出願公開第2008/0262610 A1号)、2006年5月1日出願の米国特許出願第11/381,056号(米国特許出願公開第2007/0255401 A1号)、2006年10月30日出願の米国特許出願第11/554,544号(米国特許出願公開第2007/0203577 A1号)、2005年12月1日出願の米国特許出願第11/293,644号(米国特許出願公開第2007/0129797 A1号)、2006年6月1日出願の米国特許出願第11/421,597号(米国特許出願公開第2007/0280994 A1号)、2004年8月23日出願の第10/924,152号(米国特許出願公開第2005/0178394 A1号)、2005年4月15日出願の米国特許出願第11/106,983(米国特許出願公開第2005/0246016 A1号)、2004年4月30日出願の米国特許出願第10/837,402号(米国特許出願公開第2005/0246015 A1号)、2001年11月7日出願の米国特許出願第10/053,178号(特許第6,623,522号)、2001年10月19日出願の米国特許出願第10/043,975号(特許第6,626,941号)、1999年8月27日出願の米国特許出願第09/385,103号(特許第6,361,560号)、および1998年12月23日出願の米国特許出願第09/219,594号(特許第6,102,946号)。これら特許出願および特許は、参照によりそのすべてが本明細書に組み込まれる。]
[0037] [0043]インレー10は、角膜にフラップ25(図2参照)を切ること、フラップ25を持ち上げて角膜床を露出すること、露出された角膜床の上にインレー10を置くこと、およびインレー10の上でフラップ25を元の位置に戻すことなどの既知の処置によって角膜内に移植することができる。フラップ25が切られるとき、フラップ25をインレー20の上で正確に元の位置に戻すことができるように、角膜組織の小部分が保全されてフラップ25のヒンジが作り出される。フラップ25がインレーの上で元の位置に戻された後、フラップは角膜床に密着する。インレーがフラップの下に配置されるいくつかの実施形態では、インレーは、角膜内に約100ミクロンから約200ミクロンの深さで移植される。いくつかの実施形態では、インレーは、約130ミクロンから約160ミクロンの深さに配置される。いくつかの特定の実施形態では、インレーは、約150ミクロンの深さに移植される。] 図2
[0038] [0044]インレーはまた、角膜内にポケットを作り出し、形成されたポケットの内部にインレーを配置することによって移植することもできる。ポケットは一般に、フラップよりも角膜内の深くに作り出され、こうすることで神経傷害を防止する助けになりうる。ポケットが形成されるいくつかの実施形態では、インレーは、約150ミクロンから約300ミクロンの深さに移植される。いくつかの実施形態では、インレーは、約200ミクロンから約250ミクロンの深さに配置される。]
[0039] [0045]インレーは、角膜床の上に、被術者の瞳または視軸の中心に置かれて配置されなければならない。インレー10は角膜内に、角膜前面から測定して角膜厚さの約50%以下(約250μm以下)の深さに移植することができる。フラップ25は、例えばレーザ(例えばフェムト秒レーザ)または機械的角膜刀を用いて切ることができる。インレーを移植するさらなる方法または詳細は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる2005年12月1日出願の米国特許出願第11/293,644号(米国特許出願公開第2007/0129797 A1号)、および2006年6月1日出願の米国特許出願第11/421,597号(米国特許出願公開第2007/0280994 A1号)に見出すことができる。]
[0040] [0046]図2で分かるように、インレー10は、角膜内に移植されると、角膜前面の形状を術前形状35(破線で示す)から術後形状40(実線で示す)に変えることによって、角膜の屈折力を変化させる。図2で、インレーは、角膜前面の中心部分の形状を変化させるが、中心部分周辺の前面の周辺部分は形状を変化させていない。図2は、角膜前面の中心部分の高さ変化を示す。この高さ変化は、中心部分の急勾配化を含む。中心ゾーンの曲率が増大されて中心部分での近方視力が得られる一方、周辺ゾーンの形状は変化せず、中心ゾーンの周辺での遠方視力が得られる。図2のインレーは、中心ゾーンの曲率増大により近くの物体に焦点を合わせる眼の能力が向上するので、老視を矯正するのに使用することができる。] 図2
[0041] [0047]いくつかの実施形態では、インレーは、角膜と類似の特性を有し(例えば、約1.376の屈折率、78%の水含有率など)、ヒドロゲルまたは他の透明な生体適合性材料で作ることができる。インレーは、例えば、それだけには限らないが、リドフィルコン(Lidofilcon)A、ポリHEMA(ヒドロキシエチルメチルアクリレート)、ポリスルホン、シリコーンヒドロゲルを含む様々な材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、インレーは、約20%から約50%のHEMA(ヒドロキシエチルメチルアクリレート)、約30%から約85%のNVP(N−ビニルピロリドン)、および/または約0%から約25%のPVP(ポリビニルピロリドン)からなる。このような材料の他の配合物には、約15%から約50%のMMA(メチルメチルアクリレート)、約30%から約85%のNVP、および/または約0%から約25%のPVP(ポリビニルピロリドン)に及ぶ組成物が含まれる。]
[0042] [0048]いくつかの実施形態では、これらの組成物の水含有率は約65%から約80%の範囲である。特定の一実施形態では、インレーは、約78%のNVPと約22%のMMA(メチルメチルアクリレート)を含み、架橋剤としてアリルメタクリレート、および開始剤としてAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を含む。インレー材料の例示的なさらなる詳細および例は、参照により本明細書に組み込まれる2007年4月20日出願の米国特許出願第11/738,349号(米国特許出願公開第2008/0262610 A1号)に見出すことができる。いくつかの実施形態では、インレーは、角膜とほぼ同じである約1.376±0.008の屈折率を有する。そのため、インレーは固有のジオプター屈折力を有しない。しかし、インレーは、(角膜前面の曲率を変化させることに加えて)固有のジオプター屈折力を有するように、角膜の屈折率と大きく異なる屈折率を有することができる。固有のジオプター屈折力を有するレンズの例示的詳細、およびその特徴を本明細書の方法に組み込むことができる使用方法が、2006年5月1日出願の米国特許出願第11/381,056号(米国特許出願公開第2007/0255401 A1号)に記載されている。同出願は、参照により本明細書に組み込まれる。]
[0043] [0049]図3は、術後の前方角膜表面240の形状に及ぼすインレー210の例示的な生物機械学的効果を示す断面側面図である。インレー210は、中心厚さ265、縁部厚さ250、前面215、および後面220を有する。「作用」ゾーン(本明細書では「中心ゾーン」と呼ばれることもある)、すなわちインレーが存在することにより曲率が変えられる前面の領域は、インレー210の直径を越えて周辺に延びる。「作用」ゾーンは、前面260の上のインレー直径の幾何学的突出部と、インレー直径の突出部周辺の「外側作用ゾーン」255とを含む。作用ゾーンは、中心厚さ275を有する。] 図3
[0044] [0050]図4は、老視を矯正するために、インレーを使用して遠方視力を得ながら近方視力を得る例示的な一実施形態を示す。眼は、角膜110、瞳115、水晶体120、および網膜125を含む。図4で、インレー(図示せず)を角膜の中心に移植すると、角膜内に小さな直径の「作用」ゾーン130が作り出される。インレー直径も作用ゾーン直径も瞳115の直径より小さい。「作用」ゾーン130により、角膜の中心領域で前方角膜表面の曲率を増大させ、したがって「作用」ゾーン130のジオプター屈折力を増大させることによって、近方視力が得られる。「作用」ゾーン周辺の角膜の領域135では、直径が瞳の直径よりも小さく、遠方視力が得られる。したがって、被術者の近方視力は、治療される眼の遠方視力の喪失を最小限にしながら改善される。] 図4
[0045] [0051]この種のインレーの例示的な利点は、近くの物体140に視点を集中するとき、瞳は自然に小さくなり(例えば、近点瞳孔縮小)、それによってインレーの作用がさらに効果的になることである。近方視力は、近くの物体の照明を強める(例えば、読書灯を点灯する)ことによって、さらに向上させることができる。「作用」ゾーン130が瞳115の直径よりも小さいので、遠方の物体145からの光線150は、インレーを迂回し、「作用」ゾーン周辺の角膜の領域を用いて屈折されて、遠方の物体の像を網膜125上に作り出す。これは特に、より大きい瞳についていえる。遠方視力が最も重要な夜間には、瞳は自然に大きくなり、それによってインレーの作用が低減し、遠方視力が最大になる。]
[0046] [0052]被術者の生得の遠方視覚は、被術者が正視である(すなわち、遠方視力の矯正を必要としない)場合のみ、焦点が合っている。多くの被術者は正視ではなく、近視または遠視の屈折矯正を必要とする。特に近視については、遠方視力矯正は、近視の生体内レーザ屈折矯正術(LASIK)、または他の同様な角膜屈折処置によって行うことができる。遠方矯正処置が完了した後、近方視力を得るための小さなインレーを角膜内に移植することができる。LASIKではフラップを作り出すことが必要であるので、インレーは、LASIK処置と同時に挿入することができる。フラップは再び開くことができるので、インレーはまた、LASIK処置の後に角膜に挿入することもできる。したがって、この種のインレーは、近視または遠視を矯正するLASIKなどの他の屈折処置と組み合わせて使用することができる。]
[0047] [0053]いくつかの実施形態では(例えば図4に示す)、瞳の直径よりも小さく、老視を矯正するために用いられる作用ゾーンを作り出すためのインレーが移植される。老視は一般に、例えば経時的な水晶体の弾性喪失により、近くの物体に焦点を合わせるために眼の屈折力を増大させる能力の低下を特徴とする。通常、老視の人は、近方視力を得るのに読書用眼鏡を必要とする。初期の老視では(例えば、およそ45歳から55歳)、近方視力を得るのに少なくとも1ジオプターが通常必要である。完全な老視では(例えば、およそ60歳以上)、さらに2〜3ジオプター屈折力が必要になる。例示的な一実施形態では、小さなインレー(例えば、直径が約1〜3mm)が、前方角膜表面上に「作用」ゾーン(直径が約2〜4mm)を生じるように角膜の中心に移植され、この作用ゾーンは、作用ゾーン周辺の角膜の領域での遠方視力も可能にしながら近方視力を得るために、角膜の光学ゾーンよりも小さい。] 図4
[0048] [0054]角膜を改変することによって被術者の視力を矯正する第1のステップは一般に、所望の屈折力変化が得られる前方角膜表面の所望の術後形状を決定すること(すなわち、角膜前面の形状変化を決定すること)である。所望の前面の形状は、生物機械学的反応の結果、ならびに視力矯正処置の結果としての前方角膜表面の上皮整形の結果になりうる。角膜上皮整形については、以下でより詳細に説明する。生物機械学的反応および上皮反応に基づいて、所望の前面変化を生じさせるための視力矯正処置が行われる(例えばインレーを移植)。]
[0049] [0055]本開示は、矯正視力を得るための所望の前方角膜形状を決定する例示的な方法を含む。この方法が中心での近方視力を得て周辺での遠方視力を得るために角膜内にインレーを移植することを含む、特定の一実施形態を説明する。いくつかの実施形態では、急峻な移行部を有する前方角膜表面の中心ゾーンが選択される(すなわち、図3では見ることができる外側作用ゾーンが実質的にない)。急峻な移行部により、近方屈折力効率と遠方屈折力効率の両方が最大になる。実際には、上皮整形の効果により通常は「急峻な」移行部が生じないよう防止される。経験的に、インレーによって生じる前面変化は、少なくとも8次の対称式で与えることができる。] 図3
[0050] Elev(r)=a0+a2×r2+a4×r4+a6×r6+a8×r8 式1
[0056]ここで、「Elev」はインレーによる前方角膜表面高さの変化、a0、a2、a4、a6およびa8は形状を支配する係数である。また、「r」は、前面変化中心からの半径範囲位置である。]
[0051] [0057]本明細書で論じる高さ変化は、角膜の軸に対して垂直な面内において方位角上で対称になる。しかし、直角の非対称性をより複雑なインレー設計と共に含めて、被術者の眼に先在する角膜乱視の矯正が試みられることもある。物理的には、高さの式の形について有用な制限がある。r=0において、高さ変化は最大で、中心高さ「hctr」になる。対称性から、r=0において、高さの式の1次導関数は0でなければならない。インレーによって生じる変化の範囲は、最大半径(rz)に限定される。ここでElev(rz)=0である。そして高さは、rzで元の角膜に滑らかに移行するので、その1次導関数もまた0になりうる。すなわち、dElev(rz)/dr=0である。]
[0052] [0058]これらの制限により、高さの変化は、4つの独立パラメータ、すなわちhctr、rz、a6およびa8を特徴とすることができる。また残りの係数は次式で与えられる。]
[0053] a0=hctr
a2=2×α/rz2−β/2/rz
a4=β/2/rz3−α/rz4
ここで
α=−hctr−a6×rz6−a8×rz8
β=−6×a6×rz5−8×a8×rz7
[0059]したがって、理想的な前方角膜高さ変化は4つの独立パラメータ、すなわちhctr、rz、a6およびa8によって表すことができる。]
[0054] [0060]表1は、近方視力を用いたときの理想的な前方角膜表面変化を3つの眼鏡付加度数(1.5ジオプター、2.0ジオプター、および2.5ジオプター)、ならびに3つの瞳サイズ(小、公称および大)について示す。]
[0055] ]
[0056] [0061]最適な前方角膜高さ変化(Elev)を生じさせる光線追跡最適化を行うには、人間の眼の主要な光学機能を模倣するモデル眼が必要になる。Navarroの有限眼モデル(Accommodation dependent model of the human eye with aspherics(非球面レンズによる人間の眼の調節依存モデル)、R.Navarro他、JOSA、Vol 2、No 8、1985、p.1273−1281)が、そのようなモデルの1つを提示している。これらの設計目的のために、Navarroは、角膜の物理的および光学的特性に対して解剖学的補正値を与え、また眼全体の球面収差、色収差およびStiles−Crawford効果の正常値などの総合的な眼の諸特性を与えている。他のモデル眼も、それらがこれらの基準を規定する場合には用いることができる。]
[0057] [0062]Navarro眼モデルに前方角膜高さ変化(Elev)を含めるために、Elev面がNavarro眼モデルの前面に付加される。眼モデルの前面変化によって生み出される画像品質の計算は、多くの市販の光線追跡ソフトウェアパッケージのどれを使用しても行うことができる。提示した例では、Zemax Development CorporationのZemax−EE Optical Design Program(2008)が使用された。]
[0058] [0063]光線追跡最適化の目的は、所与の一連の想定に対して光学性能を最大にする高さ面パラメータ(hctr、rz、a6およびa8)を見つけることである。光学設計で用いられる多くの画像品質の光学メトリクスがある。もちろん、光学設計では変調伝達関数(MTF)が特に有用であり、光パワーの2つのゾーンを同時に用いる。MTFは、元の物体のコントラストを人間の網膜上の物体像のコントラストに伝達する効率である。このMTF効率(変調)は、物体像の空間周波数情報の関数としてグラフ化される。空間周波数は、像の特徴がサイズによって分けられたものとして考えることができる。すなわち、高い空間周波数は非常に微細な像の特徴を表し、低い空間周波数は非常に大きな像の特徴を表す。画像品質は、選択された空間周波数における各MTF値がそれらの最高値を有したときに最大化される。]
[0059] [0064]各想定は、瞳の直径とインレーの作用ゾーン(rz)の間の周辺領域を通過する光線からの良好な遠像、ならびに中心作用ゾーンを通過する光線の良好な近像を得るためのインレーの設計要件から引き出される。したがって、光線追跡プログラムは、少なくとも2つの配置で設定される。その第1では、眼モデルの物体は無限遠に設定される(例えば、遠くの物体を見る)。第2の配置では、物体は近距離に設定される。近作業および眼鏡処方の典型的な距離は40cmであり、2.5ジオプターの眼鏡ADDに相当する。]
[0060] [0065]各配置では、モデル眼の瞳サイズが設定されなければならない。多くの選択肢のうち、2つが最も論理的である。その第1では、瞳サイズが両配置で同一に設定され、最適化の目標は、等しい遠像特性と近像特性を与える高さパラメータを見つけることである。第2の選択肢では、遠方配置と近方配置で別々の瞳サイズを設定する。近方配置瞳サイズでは、十分に照明された環境で、すなわち周辺遠方ゾーンがほぼゼロで、被術者の瞳サイズが設定される。この条件では、最大の近距離能力が得られる。遠方配置瞳サイズは、被術者の夜間または薄暗い光の瞳サイズに設定され、遠方視力が最大になる。本明細書に示した例では、遠方配置と近方配置で異なる瞳サイズを用いる後者の方法が用いられた。選択される方法にかかわらず、同じ範囲の理想的な高さプロファイル(例えば表1)が見つけられることに注意されたい。]
[0061] [0066]人間の瞳サイズは、所与の一連の照明条件に対して、2つの重要な傾向を伴って変化する。人が老化するにつれ、夜間の瞳サイズは減少する。さらに、近くの物体を見るときは、瞳の直径が約0.5mm縮小する。文献および臨床経験に基づいて、明るい照明時の近方配置瞳は、直径が約2.5mmの場合「小」、約3.0mmの場合「公称」、約3.5mmの場合「大」と考えられる。遠方配置では、夜間の瞳サイズが大きく変化し、遠方視力の喪失があっても他眼によって補償される。すなわち、設計目的に対して1つの夜間瞳サイズで十分であり、5.0mmの直径が文献/臨床経験によって提案されている。]
[0062] [0067]光線追跡ソフトウェアプログラムの最適化ツールが現在利用されている。高さパラメータ(hctr、rz、a6およびa8)は、近方配置のMTFが最大になるまで、遠方配置のMTFを同時に最大にしながら変えられる。理想的な設計は明らかに、想定された瞳サイズの関数になる。実際には、被術者を術前に検診することができるため、外科医は、被術者の瞳サイズ範囲および所望の視力結果に最も適したインレー設計を選択することができる。]
[0063] [0068]インレーを移植するこの特定の方法では、所望の前面変化が決定された後、移植されるべきインレーが、インレーが存在することによる生物機械学的反応および上皮反応を考慮に入れて選択され、これらの反応を補償する。考慮に入れることができる例示的な生物機械学的相互作用は、本出願が優先権を主張し、参照によって本明細書に組み込まれる2007年4月20日出願の米国特許出願第11/738,349号に見出すことができる。]
[0064] [0069]以下に提示する実験データは、角膜内インレーが存在することによる生物機械学的反応および上皮反応のいくつかの態様の詳細を示す。]
[0065] [0070]Petrollらは、角膜内インレーにより、インレーを覆っている上皮の上皮菲薄化が生じることに注目した。図5は、角膜実質層内に配置されたインレー500の断面側面図を示す。光コヒーレンス断層撮影法(OCT)で角膜の一部分を撮像すると、インレーが角膜内に配置された後、角膜前面に生じた形状変化を上皮層が低減しようとすることが分かった。インレーの径方向上方の目立った上皮菲薄化502と、インレーの直径をわずかに越えた位置での上皮肥厚化504とがあった。外側領域506では上皮層は変化しないままであった。この上皮整形は、角膜前面に生じた曲率の増加をならす、または低減するための上皮層による自然な反応であるように見える。領域502で菲薄化し、領域504で肥厚化することによって、上皮は前面を整形し、その術前の形状に戻そうとする。上皮整形とは、この文脈では、角膜内の異物の移植によって生じた変化を上皮層が低減しようとする仕方のことである。菲薄化および肥厚化は、それぞれ約10ミクロンであることが観察された。] 図5
[0066] [0071]この上皮整形は、インレーが移植された後の角膜前面の形状を調整する。これによりインレーの屈折作用が調整される。上述の例では、上皮整形が、上皮の中心領域は菲薄化し、上皮の周辺部分は肥厚化することによって、もたらされた中心ゾーンの曲率において生じた急勾配化を低減しようとする。したがって、上皮整形を理解することは、インレーがどのようにして角膜前面の形状を最終的に変化させるのかを理解するのに重要である。したがって、いくつかの実施形態では、中心での近方視力を得るために角膜内に移植されて使用されるインレーを選択することは、上皮整形を補償し、さらに角膜前面をその所望の形状に調整するインレーを選択することを含む。Huangらは上皮整形の作用について、それが角膜組織の切除(すなわち組織の除去)に関連すると述べている。しかし、Huangは、角膜内インレーなどの材料を角膜に付加した後の上皮整形は検討していない。本明細書の一実施形態では、角膜に材料を付加した後の上皮整形に焦点を当てる。]
[0067] [0072]図6は、角膜内インレー600の移植前後の角膜の一部分の断面側面図を示す。ボーマン層の中心領域「DcenBow」の変化が、2つの矢印の違いによって示されている。同様に、ボーマン層の周辺領域の変化「DperBow」、中心角膜前面の変化「DCenCor」、および角膜前面の周辺領域の変化「DPerCorn」が示されている。] 図6
[0068] [0073]図7は、約32ミクロンの平均中心厚さ(30ミクロンから33ミクロンの範囲)を有する1.5mm直径のインレーが移植された9人の患者の、臨床データ(例えば、遠方視力および近方視力の鋭さ、ならびにインレーによって生み出された屈折作用)と、術前と術後の波面測定から得られた前方角膜表面高さの変化とを示す。「Postop ucnVA」欄は、術後の未矯正近方視力の鋭さを示す。2番目の「PostuncNL」欄は、未矯正近方視力の鋭さ変化のラインを示す(正が増大を表し、負が喪失を表す)。「PostOp ucDVA」欄は、術後の未矯正遠方視力の鋭さを示す。「PostucDL」欄は、未矯正遠方視力の鋭さ変化のラインを示す(正が増大を表し、負が喪失を表す)。「InlayADDeff」欄は、臨床屈折データから計算されたインレーの屈折作用を示す。「InlayCen2.5mmSph」欄は、Tracey波面データから計算された、2.5mm直径の瞳でインレー上に中心を置いたインレーの屈折作用を示す。「Diff FitHt」欄は、Tracey波面データから計算された中心の前方角膜表面変化(すなわち術前と術後の差)を示す。「Diff Eff Dia」欄は、作用ゾーン直径を示す。図8は、1.5mm直径のインレーが移植された9人の患者の、角膜前面の半径に対する角膜前面の高さの変化(すなわち術前と術後の高さの差)をグラフで示す。] 図7 図8
[0069] [0074]図9は、約32ミクロンの平均中心厚さ(31ミクロンから33ミクロンの範囲)を有する2.0mm直径のインレーが移植された7人の患者の臨床データと、術前と術後の波面測定から得られた前方角膜表面高さの変化とを示す。各欄の見出しは、図8に示されたものと同じである。図10は、2.0mm直径のインレーが移植された7人の患者の、角膜前面の半径に対する角膜前面の高さの変化(すなわち術前と術後の高さの差)をグラフで示す。] 図10 図8 図9
[0070] [0075]データに示されるように、角膜の上皮整形に関して患者ごとにばらつきがある。しかし、本明細書に記載の設計および方法は、このばらつきにもかかわらず有効性を示している。]
[0071] [0076]次に、中心での近方視力を得て周辺での遠方視力を得るための小さなインレーなど、移植可能であり、さらにインレーに対する上皮整形反応または他の生理的反応を補償する角膜デバイスを設計または選択する方法を例示的にのみ示す。この方法の1つのステップは、近方視力改善と遠方視力の喪失との間の許容できるトレードオフになる最大作用ゾーン直径(deff)を決定することである。考慮すべき事項には、特徴的な被術者(例えば、特定の年齢範囲内の被術者)のうちの特定の被術者または一グループの、近くの物体を読むまたは見る間の瞳のサイズ、ならびに遠方を特に夜間に見る場合の瞳のサイズが含まれる。様々な角膜内インレーを有する被術者について記録された瞳のサイズの分析、遠方視力および近方視力の鋭さについての考察、瞳のサイズの変化に関する文献の再調査、および角膜内インレーを有する理論的眼の補足の理論的光線追跡分析に基づいて、いくつかの実施形態では、その所望の作用ゾーン直径が約2.0mmから約4.0mmになる。例示的な一応用例では、近方視力を得るために一方の眼にインレーが入れられると同時に、他の方法による遠方矯正がインレーの眼と他眼の両方に行われる。この例では、両眼が遠方視力に寄与し、インレーのない眼で最も鮮明な遠方視力が得られる。インレーがある眼で近方視力が得られる。]
[0072] [0077]この方法における追加の一ステップは、インレーの直径を決定することである。上に示したように、「作用」ゾーンはインレーの直径と共に増大する。直径が1.5mmのインレーを移植することに関する図7について上で論じた実験データに基づき、インレーは、所望の作用ゾーン直径よりも小さい約1.5mmから約2.9mmの直径を有するように選択することができる。患者7の3.0mmの作用ゾーン直径を除き、インレーは、所望の作用ゾーン直径よりも小さい約2.2mmから2.9mmの直径を有するように選択することができる。9人の患者すべての平均作用ゾーン直径3.9mmに基づき、いくつかの実施形態では、インレーは、作用ゾーン直径よりも小さい約2.4mmの直径を有するように選択される。] 図7
[0073] [0078]直径が2.0mmのインレーを移植することに関する図9について上で論じた実験データに基づき、インレーは、所望の作用ゾーン直径よりも小さい約1.6mmから約2.4mmの直径を有するように選択することができる。いくつかの実施形態では、インレーは、所望の作用ゾーン直径よりも小さい約1.8mmから約2.4mmの直径を有するように選択することができる。7人の患者すべての平均作用ゾーン直径4.0mmに基づき、いくつかの実施形態では、インレーは、作用ゾーン直径よりも小さい約2.0mmの直径を有するように選択される。このようにして、上皮整形を補償するインレーの直径を選択することができる。] 図9
[0074] [0079]追加の一ステップは、インレーの後方曲率半径を決定することである。インレーは、フラップの下の角膜前面である薄層床の上に配置される(フラップが作り出される実施形態で)。インレーの後方曲率は、光の不透過につながりうる、インレーと薄層床の間の隙間を散乱物質が満たすことを防止するために、薄層床の曲率に適合しなければならない。角膜よりも「堅い」(すなわち、弾性率が大きい)インレーについては、床曲率の術前推定値を用いて、適切な後方曲率を有するインレーを選択する。好ましい実施形態では、インレーは、角膜(角膜の弾性率は約1.8MPa)よりも可撓性があり(すなわち、弾性率が約1.0MPa以下)、フラップの下に置かれたときに曲がり、床曲率と合う。光コヒーレンス断層撮影法を用いた移植インレーの後方形状の分析では、床の曲率半径が6mmから9mmの範囲にあることが示唆される。インレーの下に隙間ができるいかなる可能性も回避するには、いくつかの実施形態では、後方曲率半径は約10mmになる。]
[0075] [0080]任意選択で追加の一ステップは、インレーの縁部厚さを決定することである。有限エッジ厚さ16(図1参照)により、フラップの下でインレーの周辺縁部に隙間が作り出されて、場合によっては、角膜が不透明になる生化学的変化が生じる。したがって、いくつかの実施形態では、縁部厚さは最小限にされ、好ましくは約20ミクロン未満になる。いくつかの実施形態では、エッジ厚さは約15ミクロン未満である。] 図1
[0076] [0081]追加の一ステップは、インレー中心の厚さを決定することである(図1の「T」参照)。1.5mm直径のインレーが移植された図7に示す上記の臨床データに基づき(約32ミクロンの平均中心厚さ)、インレー中心の厚さは、所望の中心前方高さ変化の約3.0倍から約7倍に選択される。中心前方高さ変化の6.6ミクロンの平均値に基づき、特定の一実施形態では、インレー中心の厚さは、所望の中心前方高さ変化の約5倍に決定される。したがって、このデータは、1.5mmの直径を有するインレーに対して約5の係数を示す。] 図1 図7
[0077] [0082]2.0mm直径のインレーが移植された図9に示す上記の臨床データに基づき(約32ミクロンの平均中心厚さ)、インレー中心の厚さは、所望の中心前方高さ変化の約4.5倍から約6.0倍に選択される。中心前方高さ変化の6.2ミクロンの平均値に基づき、特定の一実施形態では、インレー中心の厚さは、所望の中心前方高さ変化の約5倍に決定される。したがって、このデータは、2.0mmの直径を有するインレーに対して約5の係数を示す。] 図9
[0078] [0083]追加の一ステップは、インレーの前方曲率半径を決定することである。インレーの前面の形状および曲率は、インレーの上の角膜前面の一部分および外側の作用ゾーンの形状および曲率に影響を及ぼす。前方曲率半径の範囲は、実験的根拠に基づいて(その一部は、参照により本明細書に組み込まれる2007年4月20日出願の米国特許出願第11/738,349号(米国特許出願公開第2008/0262610 A1号)に見出すことができる)、約5.0mmから約10.0mmである。いくつかの実施形態では、選択された前方曲率半径は、約6mmから約9mmである。特定の実施形態では、前方曲率半径は、約7.7mmまたは約8.5mmである。本明細書では、球面の前方表面および後方表面を説明したが、非球面が所望のこともある。このような非球面の前方インレー表面は、球面と比較してより平坦または急勾配にすることができる。]
[0079] [0084]任意選択で追加の一ステップは、任意選択の縁部テーパまたはベベルを決定することである。例示的なベベルは、同時係属の2005年4月15日出願の米国特許出願第11/106,983号(米国特許出願公開第2005/0246016 A1号)に詳細に記載されている。同出願の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。ベベルの形状および前面の曲率は、前面外側の作用ゾーンがどれだけ早く元の前方角膜表面へ戻るかに影響を及ぼし、前方角膜表面外側の作用ゾーン形状に影響を与える。次いで外側の作用ゾーン形状は、外側作用ゾーン領域におけるジオプター屈折力の分布と、主に中間地点および近くの物体に対する網膜像品質とを決定する。インレーと角膜の相互作用の精巧な生物機械学モデルが得られている場合、テーパゾーン形状の繊細さが最も重要になる。]
[0080] [0085]上記の方法は例示的なものにすぎず、インレーのパラメータを選択する際にすべてのステップが含まれる必要はない。例えば、インレーはベベルを有する必要がなく、したがって、上皮整形を補償するためのインレーのプロファイルを選択するときに、ベベルの長さまたは形状を選択する必要がない。]
[0081] [0086]上記の開示の一部分では、上皮反応を補償するための特定の特徴を備えたインレーを選択することを強調したが、この開示はまた、他の様々な視力矯正角膜内処置による上皮反応を補償する方法も含む。本明細書での議論は、角膜実質層を改変し、角膜内処置の影響を低減するように上皮層が整形する処置に焦点を合わせている。角膜実質を改変する視力矯正処置の1つの部類には、角膜組織を整形する処置がある。例えば、LASIKなどの角膜切除処置がこの部類に含まれる。角膜組織の整形は、紫外レーザおよび短波長レーザなどのレーザで行うことができる。これらのレーザは一般にエキシマレーザとして知られており、パルス紫外線放射の強力な光源である。これらのレーザの活性媒体は、アルゴン、クリプトンおよびキセノンなどの希ガス、ならびにフッ素および塩素などのハロゲンガスで構成される。電気放電のもとで、これらのガスは反応してエキシマを構築する。エキシマの誘導放射により光子が紫外領域で生成される。]
[0082] [0087]角膜実質層を改変する処置はまた、角膜組織を除去しないで弱める処置を含む。20/10 Perfect Visionは、例えば、フェムト秒レーザを使用する老視の角膜実質内矯正であるintraCOR(登録商標)治療を開発した。インレーなどの異物または物質を角膜内に導入する処置もまた、この部類に含まれる。視力を矯正するために、流体または未硬化ポリマー構成物などの流動性の媒体を角膜内に同様に配置して使用できることもまた企図されている。]
[0083] [0088]これらのさらなる角膜処置は、その処置を実施した場合に、いくつかの実施形態では補償される上皮反応を引き起こす。例えば、角膜切除処置では角膜組織を除去するため、角膜の前面曲率が変化する。その場合上皮層は、形状変化を低減しようと整形する。したがって、この上皮整形を補償する処置を実施すると、その処置により所望の変化を角膜に生じさせることが可能になる。]
[0084] [0089]本発明の好ましい諸実施形態を本明細書で示し説明したが、このような実施形態は単に例として提示されていることが当業者には明らかであろう。ここで、本発明から逸脱することなく多数の変形形態、変更形態、置き換えが当業者には思い浮かぶであろう。本発明を実施するについては、本明細書で説明した本発明の諸実施形態に対する様々な代替形態を用いることが可能であることを理解されたい。添付の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、それによってこれらの特許請求の範囲内およびそれらの等価物の範囲内の方法および構造物が包含されるものとする。]
权利要求:

請求項1
視力を矯正する方法であって、視力を矯正するための角膜前面の所望の形状変化を決定するステップと、前記角膜前面に前記所望の形状変化を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップと、前記角膜内に前記インレーを移植し、それによって前記角膜前面に前記所望の形状変化を生じさせるステップとを含み、前記角膜前面に前記所望の形状変化を生じさせる前記厚さプロファイルを有する前記インレーを選択するステップでは、前記角膜内に前記インレーを移植することに反応した前記角膜の上皮層の上皮整形を補償する、方法。
請求項2
請求項1に記載の方法において、前記角膜前面の所望の形状変化を決定するステップが、前記角膜前面の、前記角膜の光軸に沿って置かれる中心部分の所望の形状変化を決定するステップを含む方法。
請求項3
請求項1に記載の方法において、前記角膜前面の中心部分の所望の形状変化を決定するステップが、前記中心部分の周辺に置かれた前記角膜前面の周辺領域の形状変化は回避しながら、前記角膜前面の中心部分の所望の形状変化を決定するステップを含み、前記中心部分と前記周辺部分の間の界面の直径が瞳の直径よりも小さい方法。
請求項4
請求項1に記載の方法において、前記角膜前面の所望の形状変化を決定するステップが、近方視力を得るために前記角膜の中心部分を急勾配にし、かつ前記中心部分の周辺の領域での遠方視力が得られる形状変化を決定するステップを含み、前記角膜内に前記インレーを移植するステップでは、前記中心部分に急勾配化を生じさせて、前記中心部分の周辺での遠方視力を得ながら近方視力を得る方法。
請求項5
請求項1に記載の方法において、視力を矯正するための前記角膜前面の所望の形状変化を決定するステップが、老視を矯正するための所望の角膜屈折力変化を決定するステップを含む方法。
請求項6
請求項5に記載の方法において、老視を矯正するための所望の角膜屈折力変化を決定するステップが、前記所望の角膜屈折力を約1.5ジオプターから約3.5ジオプターに決定するステップを含む方法。
請求項7
請求項1に記載の方法において、前記厚さプロファイルが、中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを含み、ある厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップが、角膜内にインレーを移植することに反応した前記角膜の上皮層の上皮整形を補償するために、中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップを含む方法。
請求項8
請求項7に記載の方法において、上皮整形を補償するために前記中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップが、約50ミクロン以下の中心厚さを有する角膜インレーを選択するステップを含む方法。
請求項9
請求項8に記載の方法において、約50ミクロン以下の中心厚さを有する角膜インレーを選択するステップが、約25ミクロンから約40ミクロンの中心厚さを有する角膜インレーを選択するステップを含む方法。
請求項10
請求項7に記載の方法において、上皮整形を補償するために前記中心厚さ、直径、前方曲率半径および後方曲率半径のうちの少なくとも1つを選択するステップが、約1mmから約3mmの直径を有する角膜インレーを選択するステップを含む方法。
請求項11
請求項10に記載の方法において、約1mmから約3mmの直径を有する角膜インレーを選択するステップが、約1.5mmから約2mmの直径を有する角膜インレーを選択するステップを含む方法。
請求項12
請求項1に記載の方法において、前記角膜内に前記インレーを移植するステップが、前記角膜内にフラップを作り出すステップと、前記フラップの下に前記インレーを配置するステップとを含む方法。
請求項13
請求項1に記載の方法において、前記角膜内に前記インレーを移植するステップが、前記角膜内にポケットを形成するステップと、前記ポケット内に前記インレーを配置するステップとを含む方法。
請求項14
請求項1に記載の方法において、前記角膜の前記上皮層の上皮整形を補償するステップが、前記角膜の光軸に沿って前記インレーの上の上皮菲薄化を補償するステップを含む方法。
請求項15
請求項1に記載の方法において、前記角膜の前記上皮層の上皮整形を補償するステップが、前記インレーの周辺の上皮肥厚化を補償するステップを含む方法。
請求項16
請求項1に記載の方法において、前記角膜内に前記インレーを移植することに反応した前記角膜の前記上皮層の上皮整形を補償するステップが、前記角膜内に前記インレーを移植することに反応した前記角膜前面の形状の変化を低減するように前記上皮層整形を補償するステップを含む方法。
請求項17
請求項1に記載の方法において、前記角膜前面の所望の形状変化を決定するステップが、前記角膜前面の中心部分の所望の高さ変化部直径を決定するステップを含み、前記角膜前面に前記所望の高さ変化部直径を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップが、インレーの直径を選択するステップを含み、前記インレーの直径を選択するステップが、前記所望の高さ変化部直径から約1.8mm〜約2.4mmを引いたインレーの直径を選択するステップを含む方法。
請求項18
請求項17に記載の方法において、前記インレーの直径を選択するステップが、前記所望の高さ変化部直径から約2mmを引いたインレーの直径を選択するステップを含む方法。
請求項19
請求項1に記載の方法において、前記角膜前面の所望の形状変化を決定するステップが、前記角膜前面の中心部分の所望の中心高さ変化を決定するステップを含み、前記角膜前面に前記所望の中心高さ変化を生じさせる厚さプロファイルを有する角膜インレーを選択するステップが、インレー中心の厚さを選択するステップを含み、インレー中心の厚さを選択するステップが、前記所望の中心高さ変化の約3倍〜7倍であるインレー中心の厚さを選択するステップを含む方法。
請求項20
請求項19に記載の方法において、インレー中心の厚さを選択するステップが、前記所望の中心高さ変化の約5倍であるインレー中心の厚さを選択するステップを含む方法。
請求項21
請求項1に記載の方法において、前記角膜内にインレーを移植するステップが、ボーマン層に中心高さ変化を生じさせるステップを含む方法。
請求項22
請求項1に記載の方法において、前記インレーが前記角膜の屈折率とは異なる屈折率を有し、それによって前記インレーに固有の屈折力を与える方法。
請求項23
老視を矯正するために角膜に対し矯正処置を行う方法であって、老視を矯正するための所望の角膜実質組織改変を決定するステップと、前記老視を矯正するために前記角膜の角膜実質層を改変するステップとを含み、前記老視を矯正するために前記角膜の角膜実質層を改変するステップが、前記角膜実質層改変に反応した前記角膜の上皮層の上皮整形を補償するステップを含む、方法。
請求項24
請求項23に記載の方法において、前記老視を矯正するために前記角膜の角膜実質層を改変するステップが、レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップを含む方法。
請求項25
請求項24に記載の方法において、レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップが、レーザで前記角膜を整形するステップを含む方法。
請求項26
請求項25に記載の方法において、前記レーザで前記角膜を整形するステップが、角膜組織を切除するステップを含む方法。
請求項27
請求項26に記載の方法において、角膜組織を切除するステップが、LASIK処置を行うステップを含む方法。
請求項28
請求項24に記載の方法において、レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップが、紫外レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップを含む方法。
請求項29
請求項24に記載の方法において、レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップが、フェムト秒レーザを使用して前記角膜実質層を改変するステップを含む方法。
請求項30
請求項23に記載の方法において、前記老視を矯正するために前記角膜の前記角膜実質層を改変するステップが、角膜実質組織を弱めるステップを含む方法。
請求項31
請求項23に記載の方法において、前記老視を矯正するために前記角膜の前記角膜実質層を改変するステップが、前記角膜内に異物を配置するステップを含む方法。
請求項32
請求項31に記載の方法において、前記角膜内に異物を配置するステップが、前記角膜内にインレーを配置するステップを含む方法であって、前記角膜内に前記インレーを配置することによって前記角膜前面の形状を修正するステップをさらに含む方法。
請求項33
請求項32に記載の方法において、前記角膜前面の前記形状を修正するステップが、中心部分の周辺の前記角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために前記中心部分を急勾配にするステップを含む方法。
請求項34
視力を矯正する方法であって、角膜前面の、近方視力を得るための中心ゾーンの勾配増大を含む所望の形状変化を決定するステップと、中心部分の周辺の前記角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために、前記角膜前面の中心部分の勾配を増大させる視力矯正処置を行うステップとを含み、視力矯正処置を行うステップでは、前記角膜前面に対する上皮整形を補償する、方法。
請求項35
請求項34に記載の方法において、前記中心部分の周辺の前記角膜の領域で遠方視力を得ながら近方視力を得るために、前記角膜前面の中心部分の勾配を増大させる視力矯正処置を行うステップが、角膜組織内に角膜内インレーを配置するステップを含む方法。
請求項36
請求項35に記載の方法において、角膜組織内に角膜内インレーを配置するステップが、前記インレーを前記角膜実質組織内の、前記角膜前面から測定して約200ミクロン以下の深さに配置するステップを含む方法。
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